2017年06月11日

今求められる人物:ジェレミー・コービンを「選挙に勝てない党首」呼ばわりしたのは、英国総選挙最大の偽ニュースだ

SOTT パペットマスター


今求められる人物:ジェレミー・コービンを「選挙に勝てない党首」呼ばわりしたのは、英国総選挙最大の偽ニュースだ
https://sott.net/en353246


カデイラ・ペシヤゴダ博士
ハフポスト
2017年6月7日

c Reuters / Andrew Yates

体制派から2年の間、「選挙に勝てない」と繰り返し言われてきたにもかかわらず、今回の総選挙ではジェレミー・コービンに対する支持が高まり、事実は真逆であることが明らかになった。だが、何がこうも急に変わったのだろうか?選挙戦の間、この労働党党首が英国民に対して直接にメッセージを伝えられるようになると、主流派メディアと反コービンの国会議員による際限のない中傷が効き目を失ったというのが主な理由だろう。ひっきりなしに持ち出された「選挙に勝てない」という文句が「偽ニュース」であると判明したのであり、偽ニュースをもってしても、英国民の日常生活に影響を与える不正行為にいつまでも継を当て続けることは出来なかったのだ。計り知れないほど深い不平等の時代に、コービンが掲げた経済中心の、堂々たる左翼的大衆主義政策こそ、まさに国民が渇望してきたものだと判明したのである。

党首に選ばれて以来、コービンはこれまでの労働党首以上に、攻撃の集中砲火を浴びて来た。
http://www.huffingtonpost.com/kadira-pethiyagoda/jeremy-corbyn--the-people_b_11048424.html
ロンドンスクール・オブ・エコノミクスのレポートによると、コービンに関する新聞記事の74%が彼の政見を載せていないか、あるいはそれを文脈を無視して伝えていた。
http://www.independent.co.uk/voices/jeremy-corbyn-media-bias-labour-mainstream-press-lse-study-misrepresentation-we-cant-ignore-bias-a7144381.html
社説の2/3以上が、批判的ないし敵対的だった。反コービンの偏向報道は拡大の一途を辿り、BBCトラスト(=日本で言えばNHKの経営委員会)もついには、BBCの政治記者であるローラ・クエンズバーグが行ったコービンについてのレポートが、公平性と正確性に関するガイドライン違反であるという、数千人の一般市民による数か月来の糾弾を受け入れた。
http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/bbc-trust-rules-laura-kuenssberg-misrepresented-jeremy-corbyn-a7533096.html
これは、コービン支持派の人々の名誉を傷つけたり、一般の労働党員までをも中傷する主流派メディアによるキャンペーンと軌を一にするものだった。

校庭でいじめを行いたい子供にお手本を示すかのような異様な光景の中、メディアのコメンテーターや国会議員が次から次へと、「コービンは出て行け」の連呼に加わったのである。まさしくいじめといったやり方でターゲットが選び出され、他の政治家とは違った基準で評価された。どんな些細なミスも誇張され、どんな反コービンの嘘も福音書のように繰り返され、どんな成功も無視された。

これはアメリカ・メディアによるバーニー・サンダースの取り上げ方にそっくりである。例えばワシントンポストのウェブサイトは、1日で16ものサンダースに対する否定的な記事をアップした。
http://www.dailykos.com/story/2016/3/8/1498063/-In-16-hours-the-Washington-Post-published-16-articles-slamming-Bernie-Sanders-kinda-remarkable
ハーバード大学ケネディ行政大学院の分析によると、サンダース(=民主党)を取り上げた記事はクリントンの1/3で、トランプや、サンダースよりずっと得票の少なかったトランプ以外の共和党候補以下の扱いだった。
http://shorensteincenter.org/pre-primary-news-coverage-2016-trump-clinton-sanders/


選挙に勝てないという大嘘

それは、コービンを攻撃していた右翼系新聞というお決まりの容疑者だけでなく、数多くのリベラル系メディアもまたそうだった。初めからコービンを支持してきた我々は知っているのだが、リベラルのコービン嫌いと議論をすると、合理的な討論はほぼ不可能なのである。
http://www.huffingtonpost.com/kadira-pethiyagoda/jeremy-corbyn--the-people_b_11048424.html
西側諸国の世論が経済政策的には確実に左翼支持に移って来ている中(同時に、移民のような社会問題に関しては右翼支持に移りつつあるのだが)、彼らにとって、コービンの政策を攻撃することはできないのである。トランプの勝利も部分的には、労働者階級寄りの弁論によるものだった。より重要なのは、世論調査の結果が示しているように、民主社会主義者であり、銀行解体経済の戦士であるバーニー・サンダースが、アメリカ政界において、最も人気を集め続けていることだ。
http://thehill.com/homenews/campaign/329404-poll-bernie-sanders-countrys-most-popular-active-politician
http://www.independent.co.uk/news/world/americas/bernie-sanders-planned-parenthood-us-most-popular-things-poll-fox-news-united-states-a7634056.html

コービンの最も念入りな批判者たちですら、コービンの標榜する、公共施設を国民の手に戻し、国民健康保険や、真に暮らして行ける最低賃金、労働者の権利を守り、経済的な投資を、削減に優先させるという立場が、普通の人々の間で非常な人気であることを認めていた。
https://www.theguardian.com/commentisfree/2017/mar/01/corbyn-staying-not-good-enough
国民は、右翼的な政治的公正さのルールを破る、コービンの発言さえ支持した。すなわち、マンチェスターでのテロ攻撃は、リビア(同国はキャメロンによる政権交代を迫る戦争の後、テロ組織の温床となった)で訓練された何者かとISIS(このグループは、ブレアによる政権交代を迫る戦争の後、イラクで結成された)の一部の仕業だが、外交政策と政権交代を迫る戦争のせいでもあろう、というものだ。
http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/jeremy-corbyn-foreign-terror-links-uk-public-agree-latest-poll-labour-policies-a7764476.html
コービンがテロ擁護派であるというナンセンスを鵜呑みにするどころか、マンチェスターとロンドン橋でのテロ攻撃の結果、英国民は実際に、他国への内政干渉と国内で起きるテロとを結び付けて考えるようになった。これは、コービンのみならず、外交と諜報の専門家たちが数十年来一致して抱いていた考え方である。
http://www.independent.co.uk/voices/jeremy-corbyn-anti-intervention-middle-east-manchester-attack-libya-foreign-policy-a7752706.html
http://www.independent.co.uk/voices/jeremy-corbyn-anti-intervention-middle-east-manchester-attack-libya-foreign-policy-a7752706.html

政策的な基礎知識に欠ける反コービン派は、政策論争から撤退して、人格攻撃に終始した。だが、サンダースを人気者にしたような特質を含む、現今の歴史的瞬間にとって理想的な特徴を備えたコービンに対して、このような攻撃は極めて弱々しいものとなった:体制派のインサイダーに人々がすっかり飽き飽きした時節にやって来たアウトサイダー;エリート層からやり玉に挙げられ、自党の体制派から攻撃されても、国民からは圧倒的支持;町の広場は支持者で満員、党員は50万人以上に膨れ上がり;弁舌さわやかで論点にとらわれ過ぎたロボットたちの使用期限がすっかり過ぎた現今に、みすぼらしくあか抜けない容姿;政治に対する信頼が空前の低さとなった時代に、30年以上も高潔で、変わらぬ身持ちの良さ;2人の悪党から、少しはましな方を選ぶという選挙に人々が飽き飽きした時期に、ラディカルな変革を提案;億万長者が減税を勝ちとる一方で、何千人ものダニエル・ブレイクが食料銀行の列に並ぶ時節に
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-4f67.html
現れた、負け犬のための不屈の戦士。

人格攻撃に失敗した末、コービンを中傷するために主流派メディアに唯一残された避難場所は、不可解な程漠然とした「選挙で勝てない」というマントラを唱えることだった。なぜ勝てないのだろうか?「だって彼は人気がないから、おそらく勝てないだろう」。要するに、コービンは選挙で勝てないだろうというのだ。なぜなら彼は。。。選挙で勝てないから。


真実は選挙戦中に明らかとなった

敵対的なメディアの取り上げ方、これと同調する絶え間ない攻撃、指導者の資質を試す課題、さらには労働党内のネオリベラル議員によるリークもあって、党首に選ばれた後、コービンに対する世論調査の支持率は急落した。しかし、総選挙の運動が始まるや、メディアによるフィルターを逃れて、各党から直接に国民が得る情報の比率が増加した。国民はようやく、本物のジェレミー・コービンが持つ知的な政見を知ることが出来たのである。

彼が実際に描いていた政策構想は、労働党がマニフェストを公表した際に、一層明らかになった。それは画期的なほど具体的で実際的な貧困撲滅のための施策だった。その後、トーリー党(=保守党)もマニフェストを公表したが、メディアによる甘い賛美抜きでは、富者優先のアジェンダであることがついに露見した。同時に、世論調査の数字が変わり始めた。

4月に選挙戦が始まった頃、保守党は24ポイントと大差でリードしていた。
http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/latest-opinion-poll-opinium-general-election-tories-labour-a7722091.html
この差が5月初頭には19ポイントに下がり、5月26日時点では、僅か5ポイント差となった。マンチェスターでのテロ攻撃があった後にもかかわらず6月4日時点では ― テロは普通、右翼あるいは現職に有利となるものだ ―、この差は雲散霧消して1ポイントとなっていた。
http://www.mirror.co.uk/news/politics/labour-just-one-point-behind-10554889
投票日直前には、選挙に勝てない党首とは呼ばれなかった、かつての労働党首エド・ミリバンドやゴードン・ブラウンよりもコービンの方が多くの票を獲得するだろうというのが大方の予測となった。これまた、人々が知れば知るほど、その人気が高まったサンダースにそっくりである。よく言えば、サンダースとトランプの場合と同様に、体制派はコービンを見誤ったのだろう。悪く言えば、得票数が示す通り、しばしば繰り返された「選挙に勝てない」という漠然としたレッテルは、客観的評価ではなくて、党利的な願望だったのだ。

(※Wikipediaの開票結果:
https://ja.wikipedia.org/wiki/2017%E5%B9%B4%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E7%B7%8F%E9%81%B8%E6%8C%99
党派 議席数 増減 得票数 得票率 増減
保守党 318 -13 13,667,213 42.4 +5.5
労働党 262 +30 12,874,985 40.0 +9.5 ※※)

メディアによる反コービンの偏向報道は、英国民がこの選挙で情報に基づいて選択するという民主主義上の権利を侵害したのであり、メディアの所有が集中しているという問題を提起する結果となった。イギリスでは、5つの大企業が、オンラインも含めた新聞市場の80%を支配しているのだ。
http://www.mediareform.org.uk/wp-content/uploads/2015/10/Who_owns_the_UK_media-report_plus_appendix1.pdf
この数十年で最も貧困撲滅に意欲を見せる労働党首とは全く利害が反するこれらの企業から、反コービンの偏向報道を行わせる圧力がかからなかったという主張は、無知か不誠実によるものだろうが、それらは紛れもない偽ニュースである。この偏向を扱おうとしたほんの一握りのメディアの勇気は称賛されるべきである。


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SOTT編集部コメント:次の記事が良い例である:昨日、数千人がコービンを見に出かけたが、BBCを観ていたら、そんなことは分からなかっただろう
https://www.sott.net/article/353061-Thousands-came-out-to-see-Corbyn-yesterday-but-you-wouldnt-know-that-from-watching-the-BBC
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コービンは、この選挙で不朽の結果を残した;もう数週間選挙運動が続いていたら、きっと労働党が勝っていただろう。選挙運動期間中に国民と直接にコミュニケーションを行った結果、この労働党首はついに、労働党の新参議員からリベラルなメディアの専門家に至る、あらゆる方面から浴びせられた偽ニュースのくびきを振り払うことができたのである。それにもかかわらず彼が見せた称賛すべき実績は、まさに彼に対する激しい嫌悪がもたらしたのであり;それが彼を、我々が今求めている人物にした:彼は貧しい人々のために戦っているのだ。


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SOTT編集部コメント:なぜ英国の体制派はジェレミー・コービンを恐れるのか
https://www.sott.net/article/353199-Why-the-British-Establishment-is-terrified-of-Jeremy-Corbyn
posted by たカシー at 09:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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