2012年09月09日

シーズのヒット・リスト04:自然が育んだ我がサル遺伝子

シーズのヒット・リスト04:自然が育んだ我がサル遺伝子
http://www.sott.net/articles/show/239307-The-Cs-Hit-List-04-Nature-Nurture-and-My-Monkey-Genes


ハリソン・ケーリ
Sott.net
Mon, 26 Dec 2011 10:32 CST


おそらく今では読者もお分かりだろう: カシオペアン実験に対してソットドットネットが採用しているアプローチとはまさに、10%の霊感と90%の努力の適例なのである。 1つの質問あるいは回答があれば、データと結論をもたらす、一連の調査を思いつかせるのに大抵は十分なのである。 結果的に結論は元々の質問とは殆ど関係ないものとなっているかも知れないが。 発見こそが醍醐味なのだ: そして、その意味では、シーズとの交信で得られるデータは、「神託」の書というよりは、アリアドネの毛糸に近い。 与えられた手掛かりは、情報(インフォメーション)および「ディスインフォメーション」の広大な迷宮を巡る調査に着手することに興味を抱く人々を、 問題の核心へと導くと思いたい:このような研究領域は、人間の条件や宇宙の本質の理解へと至る上で、大いに適切であるだけでなく、 それらはまた互いに密接に関係しており、現時点で「常識」として受け取られている事の、常に一歩先を行っているようなのである。 つまり、1つの神秘が明らかになると、次の神秘が出てきて、以下同様なのだ。 これは発見の、終わることなき旅であり、これは思うに、科学と神秘主義の中心へと向かうものである。 「我々はついに、このテーマに関して知るべきことを全て知った」というような考えとは決して違う。 そんな考え方は知的停滞に陥り、好奇心を殺すものだ。 ここで言いたいのは、サービスランチみたいなものは無い。。。絶対間違いのないテキストも無いということなのだ。

知りたいという人々のため、シーズ実験にインスパイアされた調査の結果、SOTTチームは多くのトピックに焦点を当てることとなった。 彼らが居なかったならば、そして、このプロジェクトに加わっていなければ、きっと得られなかったであろう人生経験がなかったならば、 我々はおそらく、彗星による天変地異の歴史と危険性、宇宙の電気的性質、サイコパス、悪の発生学、抗体理論についても、 世に出ている膨大な数の「陰謀論」に関して真偽を選別する方法についても学ぶことがなかったことだろう。 あるいは少なくとも、それにもっと時間がかかっていただろう。 結局、これらの分野にはそれぞれの権威や唱道者が居て、 これらの科学界の異端者が、各自の研究分野で言われていることの全てが正しい訳でない、との結論に達していた。 それは、歴史においても、政治学、心理学、UFO学、天体物理学、あるいは他のどの科学分野でもそうだったのだ。しかしこれは通例、彼らの独力で行われているため、全体像からは切り離されており、それら全部をどのように組み合わせればいいのかに関する知識も欠いていた。 このため、生涯をかけた研究も、しばしばこの過程を辿ることとなり、結果不幸にも、他の見込みのある研究分野も箸がつけられないままとなっているのだ。 (超常現象の研究者が「陰謀論」をバカにしたり、「911陰謀論者」がUFO論者をバカにする姿はよく見かけられる。) だが、我々はこれらのピースを可能な限り数多くもたらし、できるだけ理解しやすい現実の姿を提供しようと努めているのである。 このようなエリアの1つとして、私が以下で取り扱うのは、遺伝学および、神秘的な生命の構成単位であるDNAに内在する可能性についてだ。


皆が持っているジャンクDNA。。。

DNAの構造が発見されてから、わずか60年程しか経っていないことを考えると、 我々が未だに、その神秘の全貌を解明できていないとしても何の不思議もない。 エピジェネティックス(後成的遺伝学、後生学。遺伝子発現時における変化)の機能がいくらか理解されるようになったのは、ここ30年程のことであり、 この分野が解明される結果やその応用範囲は計り知れない。 さらには、ヒューマンゲノムがある。この研究は緒に就いたのが10年前だが、3万5千に上る、驚くほどの無駄な遺伝子の存在を明らかにしている。 しかし、我々のDNAの中で、遺伝子が占める割合はごく僅かに過ぎない。 長い間、DNAの唯一の機能が我々の身体構造を作り上げているタンパク質のための単なる暗号であると考えられてきたことに鑑みれば、 この疑問は科学者たちにとって年来の謎だった。 「ジャンク」DNAという言葉は1970年代に考案されたもので、機能不明のDNAの各部を意味し、これらは、ヒトのゲノム中の約98%に達するのである。 こんにちでは、このDNAの少なくともいくらかは、制御的機能を果たしていることが分かっているが、 他の部分は依然神秘に包まれたままである。 2000年9月23日、ローラはシーズに、この「ジャンク」について尋ねた:


000923
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Q:あなた方前に、DNAの核は未だ解明されていない、炭素に関係したエンザイム(酵素)だって言ってたでしょ?

A: Yes.

Q:ここにある本にこう書いてあるわ: 「DNA配列のうち比較的わずかな部分だけが、いわゆる構造遺伝子にあたる、ということの証拠が蓄積されてきている。 構造遺伝子がタンパク質の生成に関与しているのであり、 平均的なサイズとしては、およそ5,000の塩基対 から成る、50,000の構造遺伝子が存在するものと推測されるが、 これでは、およそ30億と見積もられる全塩基対のうち2億5000万対に相当するのみである。 DNAの残りは何のためにあるのだろうか? DNAのある部分は、いわゆる反復配列であって、何千回も特定の配列が繰り返されている。 この機能は不明である。 このAlu(アル)と呼ばれる反復は、 例えば、同じ塩基対の300対並びが、30万回以上コピーされているという具合なのである。 このDNAは確かにジャンクなどではなく、 遺伝子を制御する染色体構造ないし染色体複製において、何らかの重要な役割を果たしているのだ。 1977年まで、遺伝子とはDNAの単一な連続であって、 それがコード化されてRNAとなり、さらにはタンパク質になるのだと考えられていた。 しかしながら、研究が進んだ結果、もっと複雑であることがわかってきたのだ。 現在では、遺伝子中にあってタンパク質に翻訳されない一部のDNAの存在が知られている。 この介在配列ないしイントロンは、幾分神秘的なものであるが、極めて一般的に見られる現象であることがわかった」 さて、ここで言われているイントロンが、 あなた方の言うDNAの核なんでしょ?

A:一部は。

Q:同じ塩基対が、30万回以上コピーされてるという、このALUって何なのかしら?

A:部族ユニット。

Q:部族ユニットって何?

A:重要なマーカー化合物から成る区画。

Q:このコードは何のためにあるの?

A:生理的なものと魂的なものとが合わさったプロフィール。
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コピーライトマーク Pharmapolis.net
イントロンとは、アミノ酸配列には翻訳されないDNA(塩基配列)のことで、全ての真核生物の遺伝子中に見られる。
(写真)


そもそも、1980年代にリボザイム(化学反応を触媒することができるRNA分子)が発見されるまで、 科学者たちはエンザイム(酵素)だけが生体内において触媒として機能するものと考えていた。 だが、特定のRNA分子にもこれが可能であるとなると、これには進化論的な意味がある。 (つまり、どちらが先か?ということだ。 RNAがエンザイムを作るのか、それとも、エンザイムがこの反応を触媒するのか?) このようなリボザイムは、あるイントロンRNA上に発見された。 彼らのDNA方のいとこであるデオキシリボザイム(あるいはDNAザイム)は1994年に発見されたばかりである。 この研究が公表されたのは、この年の12月、上の引用中で言及されていたセッションの直後のことだった。 だが、DNAには、同様の反応のための、特定の官能基 が欠けており、またそれは安定した二重らせん構造をしているため、 DNAザイムは研究室内で生成されねばならない ― これは未だ「自然中では」発見されていない ― のであり、 その場合にも、単一ストランド のDNAと作用するようにのみ機能する。 それでも、生成がたやすいことと、反応を触媒することができることから、 おそらく、上掲のセッションで言われていたDNAの「核」とは、自然発生的なデオキシリボザイムのことだろうか? リ・インフーとロナルド・ブレイカーが、このテーマについて、1999年の研究レビューに書いているように:


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残念なことに自然中では、DNA複製、DNA修復、遺伝子発現のような細胞プロセスに関して、単一ストランド構造はごくまれにしか標本が採取されない。 よって、何らかの生体内触媒の機能を持ったDNAが未だ見つからないことは驚くに当らない。。。 我々が考えてきたように、DNAが本当に不活性な分子なのか、 それとも、DNAはタンパク質やRNAが果たしているような触媒としての機能を志向したものなのか判断を下すには、DNAの機能に関する、いくつかの基本的な問題について、さらに徹底的な研究が残されている。。。 自然が触媒的DNAを殆どないし全く生み出そうとしなかったという事実はいくらか当惑的で、 DNAが触媒として機能するには潜在能力の点で不十分であることを示唆しているのかも知れない。 いくつかのデオキシリボザイムの運動特性が、自然中のリボザイムのそれに匹敵することからすれば、そうではないとも言える。 DNAのエンザイムとしての限界を確定するためには、その触媒としての潜在能力につき、さらに探求を重ねる必要があることは明らかである。
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おそらく、もう1つ注目すべきなのが、「糸巻状のタンパク質の一群で、非常に長い分子である DNA を核内に収納する役割を担う」ヒストンであり、 また、これらに作用してその機能を決めるエンザイムだろう。 2009年、科学者はこのような2つのエンザイムの構造を発見している。 サイト『R&D』の記事は、以下のようにこの研究につき伝えている:

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DNAがどのように収納されているか、という構造の問題は、 DNA自体に記録されている情報や、 この収納がきちんと行われているかを監督するシステムの一端を、エンザイムがどのように担っているか、ということと同じくらいに重要かつ複雑である。 このようなエンザイムは、ヒストン脱メチル化酵素と呼ばれている。 これらは、ヒストンからメチル基(タンパク質が化学修飾 されたもの)を取り除くからである [筆者注:メチル化とは、エピジェネティクスが働く際の作用の1つである。]

遺伝子によるコード化の際の変異によって生まれる脱メチル化酵素PHF8は、遺伝性の知恵遅れの原因となる。 多くの生物学者は、ヒストンに対する修飾は、暗号、すなわち遺伝暗号に似た意味を持つと考えている。 ヒストンの構造次第によって、核内のDNAへのアクセスは制限されたり、比較的自由になったりする。 原理はこうだ:エンザイムに対して修飾が行われる際、DNAに作用するエンザイムに対して、DNA自体にたどり着くための貴重な情報が与えられるという訳だ。

細胞内における、ヒストン脱メチル化酵素の役割を理解するには、 細胞が数千冊の蔵書を抱える図書館であると考えることだ、とチェンは言う。 「図書館で、特定の本を見つけるためには、本がどういう順に並んでいるかについて教える何らかの記号が必要だろう。 同様に、DNAを解読する機構にも、正しい場所にたどり着くための、何らかのガイダンスが必要なんだ」

ヒストンが持っている核を、DNAは包み込み、柔らかな尾部が核を越えて伸びて行く。 細胞のエンザイムは様々な付属品を ― メチル基もその1つ ― ヒストンの尾部に付着させ、細胞が関連するDNAを取り扱う方法を思い出させるのだ。

メチル基は、ヒストン上のどこにあるかによって違った意味を持つ。 加えて、修飾は細胞によって異なる。 例えば、脳では、ある特定の遺伝子に対する修飾は、「この遺伝子は頻繁に読まねばならない」という信号かも知れないし、 筋肉では、別の一組の修飾が「静かにしてろ」と言うだろう。
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ということで、DNAザイムとヒストンとはいずれも、 特定の遺伝子発現/エピジェネティクスや (どの遺伝子のスイッチが、いつ「オン/オフ」されるか)、 人工であれ「自然なものであれ」、見込みのある遺伝学技術(例えば、遺伝子栄養療法) と密接な関係があるのだ。 このような考え方については、将来の回でさらに詳しく述べる機会があるかも知れないが、 差し当たっては、ジャンクDNAが 「生理的なものと魂的なものとが合わさったプロフィール」を暗号化するための「部族ユニット/マーカー化合物」である、というコメントに移るとしよう。 まず最初は、2008年の『フィゾーグ』サイトのレポートからだ:


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進化が起こる程の時間が経過するうち、このような[アミノ酸配列には翻訳されない塩基配列の]反復は、様々な種の間に分散し、これらのゲノムじゅうに新しい調節部位を生み出した。 こうして、このような転写調節因子によって調節された一組の遺伝子は、 種によって有意に異なる率が高く、進化の主な原動力となったであろう。 この研究はまた、 このような反復は決して「ジャンクDNA」などではないということをも示している。 というのも、これらは進化における多様性の大いなる源泉であり、 他の全ての種から人間を区別する重要な身体的相違のいくつかを解き明かすカギを握っているものであるらしいからである。。。

「GIS(=Genome Institute of Singapore、シンガポール遺伝子研究所) のボーク博士と同僚たちによる発見は、 とてもエキサイティングであり、ここ10年来の、進化生態学および遺伝子調節における、際立った発見の1つと言えましょう」と、 カリフォルニア大学サンフランシスコ校の神経学部ルディ・シュミット・ディスティングイッシュトプロフェッサーで、GISの科学諮問委員会議長であるレイモンド・ホワイト博士は語った。

「かねてより、種同士が大きく異なっている様は、 ― 例えば、どうしてネズミはサルと異なっているのか ― ですが、 それらの遺伝子の発現が調節されているからであろうと考えられてきました: すなわち、体内のどこで遺伝子が発現し、 それは発育段階のうちのいつであり、 環境的刺激にどの程度反応した結果なのか、という風にです」 と彼は加えた。。。

ホワイト博士はさらにこう加えた。 「遺伝子内の調節DNAの配列が、族内で気まぐれに分布した結果、新種が形成された、という本仮説は、 とても強力なものであり、 今や多くの実験に指針を与えるものとなっていて、 このような調節DNA配列と遺伝子との機能上の関係が割り出されるまで あと一歩という状況です。 このような出来事に関する知識が増大することで、 遺伝子とタンパク質の総量が本質的に同じでありながら、ネズミはサルと、どうして、またどのようにして、かくもドラマチックに異なって行ったのか、という疑問に対する理解が進むことを期待しています。
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人間とサルとは、大部分が同じ遺伝子である。 それでは人間をして人間たらしめているものとは何か?
(写真)


遺伝の多様性は、ダーウィンが進化に関する彼の有名な本を出版して以来の謎であり、(シャレではないが)主な論争点(※直訳すると「争いの対象となる骨」)となってきた。 実際は、一般に信じられているところに反して、 ダーウィン自身は、「出鱈目な変異」の結果多様性が生じ、それによって自然選択が進行して、新奇な特性を備えた存在の誕生が可能となる、という考え方には与していなかった。 歴史における奇妙な逸話である。 こんにち、進化論の歴史について高校で習った人の殆ど誰に尋ねても、 ラマルクは愚かにも騙された人物で、 ダーウィンが登場するや否や、彼の説は論破されたのだ、と言うだろう。 ところがそうでもないのだ。 ダーウィン自身は、多様性の生じる源泉として、 「生命体が置かれた外的条件下における、間接的・直接的行動や、用・不用 [著者注:別名「使わなければ駄目になる」] 」を挙げている。 ダーウィンは、修正された遺伝物資が子孫へと受け継がれることを可能にする獲得形質の原因となる変化の最有力候補として、天候と食物を考えてさえいた (もちろん、彼は「遺伝物質」という言い回しを使っていた訳ではない。 − 彼は、仮説的な遺伝性の単位を「芽球」と呼んでいた)。 冷静な観察者である筆者(エヘン!)には、 ダーウィンが何かに気付いていたように思われる ― 当時の科学思想警察が認可しなかった何かに。 だが、これらのテーマの真相については、後に遺伝子工学を扱う回に、もっと詳しく取り組むとしよう。 (エヴァ・ヤブロンカ&マリオン・ラム著『進化の四次元:遺伝子、エピジェネティクス、行動、そして生命史上の象徴的バリエーション』を参照。) ジャンクDNAに話を戻せば、サイト『デイリー・ギャラクシー』の2011年のレポートにこうある:


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ジョージア工科大学の研究者たちは現在、 遺伝子付近にDNAの大きな断片[レトロウイルスと非常によく似た構造を持ち、RNAを介して転位するトランスポゾンで、レトロ・トランスポゾンと呼ばれる]が挿入されたり削除されたりということがあるが、 これが人間とチンパンジーとの間では大いに異なっており、 これら2つの種の間の大きな違いを説明するものであろう、との結論に達している。

ジョージア工科大学の生物学教授ジョン・マクドナルド率いる調査チームは、 人間とチンパンジーとの間で、遺伝子のDNA配列は殆ど一致している一方で、 遺伝子の「スイッチが入ったり切れたり」する程度の影響を及ぼし得るくらい遺伝子に近い場所に、ゲノム上大きな「ギャップ」が存在することを立証した。。。 「このような遺伝子上のギャップは専ら、レトロウィルス類似の転移(性)因子(トランスポーザブル・エレメント)の配列によって惹き起こされてきたのです。。。 トランスポーザブル・エレメントは、以前は殆どないし何ら機能を持たない「ジャンクDNA」だと考えられていました。 今やそれこそが、我々とチンパンジーがこうも違っている主な理由の1つであるらしいことが明らかになったのです。。。 私たちの発見は、人間とチンパンジーの形態や行動の違いは、遺伝子自体の配列の違いよりも、 主として遺伝子の調節の違いのせいである、という考え方と概ね整合しています」 とマクドナルドは語った。
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ということで、新たに見つかった、別の「調整場所」が、特定の遺伝子のスィッチをオンオフすることこそが、類似の遺伝子を持ちながら違いが見られる種の存在することの説明だというのである。 シーズが「部族ユニット」に言及したのは、この点で興味深い。 部族とは、普通、基本的な人間社会の単位であり、 それは、 ― 我々の社会構造に対する進化的「適合」というテーマからかなり脇にそれることになる。 食料の調達/供給はもちろんであるが、これは別のテーマである。 極言すれば、それは何十万年以上も生存し続けることを可能にするものだ: 部族という単位(ユニット)は、建設的な性格の発達や、 精神的健康、重要なサバイバルスキルの伝達、そして、真の文化的・環境的持続可能性を育むものだ。 我々の高度な脳構造は、まさに特殊なタイプの社会的交流が可能となる設計となっている: すなわち、社会的結合をもたらす行動を推進する、より原始的な哺乳類の構造に、 コミュニケーションのための高次のセンターが相まって、 我々は、人間行動という特殊なレパートリーを手にしたのである。 (詳細については、スティーブン・ポージェスのポリヴェーガル理論を参照のこと。) だから、ある意味我々はチンパンジーのDNAを持っているかも知れないが、その一方で、我々のユニークなプロフィールは、こころと身体、物質と意識を別世界と知覚するのである。 そして、特定のレトロトランスポゾン「マーカー(標識)」の位置および それらの遺伝子発現への影響は (他に何があるかは何とも言えない)、 何らかのかなり顕著な表現型変異 ― 我々のユニークな「形態上・行動上の成り立ち」 ― 我々を人間としてはっきり区別するような全てのカギなのだろう。 何とも言えないが。 それはさらに、我らの種内における違い、 例えば、部族テンプレート ― 社会化のプロセスを甘受し、他人と協調して生きる ― に自然に「適合する」人々 と、そうできない人々 ― サイコパス ― との違いをも説明するものかも知れない。


ソフトな仕事と母親代わり

遺伝子から学び、遺伝子について学ぶことが沢山あるのは疑いない一方、 人間の気紛れや立ち居振舞いの全てについて、遺伝子が一番大事とみなすような、一部の「科学者たち」は行き過ぎていると考えずにはいられない。 モンティ・パイソンのジョン・クリーズは私にその辺りを暴いてくれた:


http://www.youtube.com/watch?v=-M-vnmejwXo&feature=player_embedded


だが、熟練のイギリスのコメディアンではなく、本当の科学者による科学批判の方がお好みなら、 エヴァ・ヤブロンカ&マリオン・ラム(前掲)の言葉はどうだろうか:


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世に蔓延している遺伝子中心主義的アプローチは、 あらゆる生体構造や、人間行動を含む生物の行動の適応進化を、 機能に盲目な、機会的な遺伝子的多様性からの選択の結果とする上で、もはや欠くべからざるものではない。 あらゆるタイプの遺伝的多様性を考慮すれば、 進化においては、誘発的および後天的変化もまた一役買っていることが明らかとなろう。。。 単一の原因としての遺伝子という一般的な考え方は妥当ではない。 冒険心や心臓病、肥満、信心深さ、 同性愛、シャイさ、愚かさ、その他、心と体のどんな側面に関しても、原因となる遺伝子が存在するという考え方は、 遺伝子の講義ですら聞かれることはないのだ。。。 安定性は全体としてのシステムの中にあるのであって、遺伝子の中にではない。。。 遺伝子の効果は、置かれた背景次第なのである。
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だから私は、誰かが「みんな遺伝子に書いてあるのさ」と言うときには、疑わしく思うのである。 同性愛も、そのような、感情的な議論となりうる問題の1つで、 同性愛は「生まれつきそうなんだ」という意味の受け答えをしばしば耳にすることがあった。 つまり、それは単に「ライフスタイル」を選んだだけではないのだと。 まあ、結論には同意するが、遺伝子以外にも、人間の行動回路を「配線する」他の方法もあるのであり、 その1つが、行動の刷り込みである。 以下は2010年3月28日のセッションから:


オーストリアの動物学者コンラート・ロレンツと3羽のアヒル。 彼らの「母親が刷り込まれる期間」、彼自身が一緒に居ることによって、 ロレンツは幸運にも彼らの母親代わりとなった。
(写真)


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Q: (L)ある読者から質問が寄せられたんだけど、曰く: 「同性愛者になるかは、刷り込み が行われる人生の初期の段階で決定付けられるのですか?」

A: 場合によっては。 多くの理由がある。

Q: (L)質問の後半にはこう書いてあるわ: 「そうではないのだとすると、幼年時に性的志向を決めるのは何なのでしょう?」 彼ら、理由は沢山あるって言ってたわね。 他の理由をいくつか挙げて頂戴?

A: 過去生の影響や、より稀だが遺伝的なものも。

Q: (L)それじゃあ、これら3つの理由のどれが一番多いの?

A:初期の刷り込みが、わずかに他を上回ると言えるだろう。

Q: (Ailén)じゃあ、あなたが一番近かったわね、ローラ。

(Perceval) 初期段階での刷り込みというのは、虐待に関係あるのかな?

A:虐待は必ずしも、(刷り込みの条件である)多感な時期に適切なインプットを欠くものではない。 また、人によっては、刷り込みが起こる一連の時間枠が、大多数の人々のパターンと異なるか、あるいは同時期でない。 よってある意味では、これは遺伝的なものなのだが、その遺伝子を持つ人々が必ずしも同性愛者になるものでもない。

Q: (L)質問者が知りたかったのはこういうことよ。つまり、これになる前提条件は、本人が変わりたいと思えば変えられるのかしら?

A:普通は無理。

Q: (Ailén)適切なインプットを欠くということは、思うに何らかの点で発育がノーマルじゃないということでしょ。 ということは、同性愛者であることが霊的に発達する上で何らかの妨げになるのかしら?

A: No, そうは言っていない。

Q: (L)コンラート・ロレンツのアヒルの話は知ってるわよね。 あの物語によれば、アヒルの心理の基層には母親のイメージの刷り込みを受け入れるようなタイムウィンドウがあるのよ。 で、このアヒル達はこのタイムウィンドウが開いている間、母アヒルの姿を見せられず、ロレンツのブーツを見せられるのよ。 すると、子アヒル達はロレンツのブーツを母親だとみなすようになったの。永久にね。このアヒル達はブーツが「母親」だと思い込んだ訳。 この意味するところはつまり。。。わたしたちにも、恰も回路のようなものがあって。。。それが書き込み可能になっている期間=タイムウィンドウがオープンの状態なのよ。 この期間に書き込まれたものが、回路の初期設定になるんだわ。 わたしたちの成り立ちにおける、まさしく基本回路のようなものね。 思うんだけど、同性愛者というのは、この回路が過敏であるか、あるいは、書き込み可能なタイムウィンドウが開いている時期が他の人々と違うのよ。 おそらく、彼らのタイムウィンドウは、多くの人々と同じ時期には開いていないんだわ。

例えば、殆どの人々の場合には、母親に関する刷り込みが行われるタイムウィンドウは、おそらく人生の第一週に開いてるのよ。 養子に出そうと放置されるか、あるいは何らかの同情すべき環境に置かれていたために、母親のインプリントが行われない赤ちゃんは、 何も書き込まれないため、この刷り込みを欠いてしまうのよ。 もし、育児ベッドの中に放っておかれて、母親に抱かれて育てられるということがないまま過ごすと、彼らにはこの刷り込みが行われないんだわ。 やがてタイムウィンドウは閉じ、それが開いている間に回路に書き込まれたものが、何であれ永久に保持されることになる。 だから多分、ウィンドウが早く開き過ぎるか、あるいは、未だ生まれたばかりでごく小さい、病院に居るうちにそれが開いてしまって、母親の刷り込みが行われない人が居るのよ。 それか、過敏なためにウィンドウが開いてもごく短い間に閉じてしまうんだわ。 この人たちの場合、多分マスクをした医者の姿、あるいは通り過ぎる看護士だとか、コカコーラの自動販売機なんかが刷り込まれるのね。

(Perceval)多分、性的指向の刷り込みが行われる時期というのは、 大抵の人の場合、おそらくずっと後の、ある程度の年齢になってからなんだけど、 人によっては遺伝的な理由でもっと早かったり遅かったりし、 その時期に子供の周りに居る大人が、もっと小さかった頃とは全然違った振る舞いをするということなのでは。

(L) Yes. あと、刷り込みのような事を話題にするときには、 極めて特異な人物を取り上げて、 「オーケー、この人の場合は。。。」とか言って、 結論が出るまで特徴をイエス・ノー式に確認するものだけど、 人間の数だけ様々なパターンがあるのかも知れないわよ! 同性愛者の場合も同じよ。 皆違うの。 部分的には過去生が原因のときもあれば、 部分的には刷り込みを受けやすいことも、 さらには彼らが言ったように、遺伝が原因の事もあるかも知れない。

(Perceval)刷り込みとは、実のところ何なんだろう。 実際に刷り込まれるデータとは何だ? やり取りか、それとも、言葉、あるいは他人による扱われ方かな?

(L)聞いてみましょうよ。 一般的に、個人の性的指向を決定する刷り込みとは何なのかしら?

A:特定のホルモンと脳内化学物質が分泌されるのに合わせて、刷り込みウィンドウが開いている間に起こった、大人の模範との楽しいやり取り。

Q: (Perceval)じゃあ、(それは)男の子が生まれたとして、 ウィンドウが開いときには、母親の方からの女性的な世話を受けるような場合だ。 だけど、ウィンドウがもっと後に開いたとして、 父親の方のこの子に対する関心が増し、 彼に「男らしく」接し始めたような場合、 。。。つまり、「女の子みたいにメソメソして」とか、 「女の子みたいだな」とか「ドレスを着るか?」等々と言いだしたような場合、 この時期にウィンドウが開いて、このような扱いを受けたとしたら。。。

(L)つまり、刷り込みウィンドウが遅れて開くのね。

(Perceval)そう、脳内化学物質が生成されてるとき、このような扱いや、笑い物にされたり、自分が女の子だと思い込まされたりしたら。。。

(Burma Jones) でも彼らは、大人の模範との「楽しい」やり取りだって言ってたよ。

(Perceval)それは理想的な場合だよ。

(Belibaste) 普通何歳ぐらいで、このウィンドウが開くのかな?

A: 1歳半から2歳半までの間。

Q: (Burma Jones) それは大きなウィンドウだ。

(L) Yeah, 全部がウィンドウなんじゃなくって、この幅(の間に分布してるということ)なんでしょう。

(Ark)分からないのは、どうして性的指向が生来のものでないのか?その理由だ。 足の数のように生まれつき決まっていてもよさそうなもんじゃないか。それなら問題ないのに。 誰もがこんな風に二本足かつ異性愛者に生まれて、ただし、適応放散や突然変異等々の場合は別(ということでよさそうなものなのだが)。 きっとこれには理由があるに違いないんだが、どんな理由なんだろう? どうしてこんな変化の余地が残されているんだろう?お蔭で苦難を強いられる人々が出てくるというのに。 それか、多分私が人間の内部構造について何も分かってないのだろう。

(Burma Jones)この刷り込みは大人の模範と一緒にもたらされるんじゃないのかな。とすれば、性関係を持つ相手として求める相手のタイプも設定されるのでは?

A: Yes.

Q: (Burma Jones)それじゃあ多分、これも自分の「グループ」の中から性関係を持つ相手を探すように仕組まれてるのでは? 両親が人生の早い段階で決まっているみたいにね。

A:コントロール・システムによる改変があった。

Q: (Perceval)それはおそらく、あなた方が話していたように、大人の模範との楽しいやり取り、という部分だろう。 で、これが1歳半から2歳半の間より後に開いた場合には。。。

(L)それじゃあ、嫌なやり取りがあったりしたら、本当に台無しになってしまうのね。

(PoB)つまり、誰かからある種の扱いを受けることで、人が同性愛者になってしまうこともあり得るってこと?

A: Yes.

Q: (Burma Jones)それじゃあ、もし誰かが刷り込みされやすいということが分かれば、 その人達を誘拐(アブダクション)して、ペアにしたい誰かと一緒にすれば、刷り込まれる相手を仕組むことが可能みたいだね。

(L) Yeah, 可能ね。

(Perceval)問題なのは、通常のウィンドウが1歳半から2歳半の間なのに、 開くのがもっと遅い人々が居るということだ。

(L)それにおそらく、ウィンドウが早く開く人々もね。 じゃあこれは、シドニー・ベイカーが、 健康の観点からわたしたちが個人個人によって、生理的に全く異なっていると言っているようなものね。 大多数の人々にとっての一定のパターンというものはあるけど、それには幅があるのよ。 だから、皆全く個人で異なってるの。

(Andromeda)彼らが言ってるのは、同性の模範となる人物かしら、それとも異性?

A:一般的に異性。

Q: (L)それじゃあ、この刷り込みが起こる期間に、異性との楽しい経験があると、 異性のメンバに惹かれるように設定されるって訳ね。

(Perceval)それじゃあ、両親が揃った普通の家族で育った普通の赤ん坊や幼児ならば、男女両方とやり取りがありそうなものだね。。。

A:注意すべきなのは、幼児は刷り込みウィンドウが開く引き金になるようなフェロモンタイプの物質に敏感だということだ。プロセス中のこの部分は「生来のもの」だ。

Q: (Perceval)それじゃあ、女の子と男の子は、生来それぞれ男性と女性に惹かれるようになってるということでは。

(L)じゃあ、例えば女の子の場合、男性のフェロモンが存在する場合に引き金が引かれる、というのが生得のメカニズムで、 やり取りが楽しければ、回路に書き込まれるべきことが書き込まれ万事順調ということなのよ。 (でも)もしフェロモンによってウィンドウが開いても、やり取りの内容がすこぶる厭なものだと、万事失敗してしまう。 そしておそらく、この女の子に何らかの遺伝子上の違いがあると、 多分女性のフェロモンによってウィンドウが開くように育つのよ。 だから、これらの可能な組み合わせは多数ね。 明らかなのは、ウィンドウを開く引き金を引き、回路に書き込み等々を行うのは、他人とのやり取りだってことね。
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コピーライトマーク Axel Griesch
父親の容姿は娘の配偶者選択に影響を与えるものである。 このフィンチがさほど感銘を受けていないように見えるのもそれが理由かも知れない。 同様の性的刷り込みは人間でも起きているのだろうか?
(写真)


ということで、同性愛の考えられる原因として、(頻度の高いものから順に)刷り込み、過去生の影響、遺伝子、 そしてまた、刷り込み過程でのフェロモンやホルモンの放出といった視点を得た。 人間のフェロモンは、長い間存在するとされてきたが、 最近まで、それを支持するような得心の行く研究は出て来ていなかった。 面白いことに、最近の最も説得力ある研究の1つに、 性的魅力に関係した特定の体臭に対する、非同性愛者と同性愛者の男たちの(そして同様に、非同性愛の女性と同性愛の男との)反応の仕方の違いに関するものがある:


コピーライトマーク David Shankbone
最大限にフェロモンを振りまこうとポーズを決める、イスラエル人の匿名クラバー


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The two chemicals in the study were a testosterone derivative produced in men's sweat and an estrogen-like compound in women's urine,
本研究で取り上げる2つの化学物質とは、男性の汗の中でつくられるテストテロン 派生物と、女性の尿中にあるエストロゲン に似た化合物であり、 いずれも、長い間、フェロモンでないかと疑われてきたものである。。。 エストロゲンに似た化合物は、女性に対しては、普通の臭いに関係する部位を活性化させるものの、 男性の場合は、視床下部を発火させる。 これは脳の中央基部にある部位で、性行動を支配しており、 これが、すぐ下にある脳下垂体をコントロールすることで、 身体のホルモンの状態が管理されているのだ。

他方、男性の汗に含まれる化学物質はこれと反対の働きをする; これは専ら女性の視床下部を、そして男性の場合は嗅覚に関係する部位を活性化させるのだ。 2つの化学物質は二重生活さながら、一方の性にとっては臭いとして、他の性にとってはフェロモンの役割を果たすのである。 スウェーデンの研究者たちは、さらに実験を繰り返し、今度は第3のグループとして同性愛の男たちを加えた。 同性愛の男たちは、これら2つの化学物質に女性と同様の反応を示した、とセービック博士は報告している。 あたかも、視床下部の反応は生物学的な性ではなくて、持ち主の性的志向によって決まるということのようなのだ。。。

研究者の一部は、セービック博士の研究成果こそ、人間フェロモンの存在を支持する有力な証拠であると見る。 「人間にフェロモンは存在するかという疑問に答えが出た。それは存在するのだ」 と、ニューロンに関する論評の著者は、セービック博士の2001年のレポートを評している。。。

セービック博士が同性愛の男性の脳内に見つけた、異なる活動パターンは、 彼らの性的志向の原因か、または、その影響のいずれかであろう。 もし、性的志向の原因が遺伝子によるものであるか、あるいは、子宮内ないし思春期のホルモンの影響であるなら、 視床下部のニューロンは、どちらの性に持ち主が惹かれるかを永久的に方向づけるように配線されるだろう。。。 一部の研究者たちは、双子の間で一致が見られることを理由に、同性愛の遺伝的要素があるのではないかと考えている。 双子の両方ともが男性の同性愛者となる確率は、二卵性双生児では22%だが、一卵性双生児では52%に上昇するのである。
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問題の現象が帯びる性的性格を考えれば、 これらが視床下部に影響を及ぼし、結果、視床下部が、シーズが言っていたように身体の全体的なホルモン状態に影響を与えるということは、 少なくとも理論的には、断然ありうることだ。 幼児と養護者との間における、性特定的な可能性について、 2010年8月17日のイスラエル紙「ハアレツ」は、 「新米パパは赤ん坊との絆を固くするホルモンを分泌していた」と報じている。 このオキシトシンというホルモンは、妊娠中の母体内で分泌され、母と子の絆を固くする効き目がある。 これが、生後2か月から6か月の子供の父親からも検出されたのであり、 「父親であり、新生児と結び付いているという感覚」を高めることが分かったのだ。 実験に関する記述を見てみよう:


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大体43人の父親たちが、幼児とソーシャルゲーム で遊んでいる様子がビデオに記録されている。 このゲームは幼児たちの好奇心を煽るためのものである。 父親たちは、赤ん坊にバスケットの中にある6個の新しいオモチャを与えるよう言われる。 研究者たちは、父親と幼児との間のつながりを、 父親が子供を見やる視線、愛情のデモンストレーション、発する擬音語・擬態語、 そして、ハグやキス、赤ん坊の身体や手足へのタッチを含むスキンシップから探る。

プロラクチン のレベルが高い父親ほど、探索的なゲームを選ぶ傾向があるが、これは好奇心を喚起するものであることが明らかになった。 同時に、オキシトチンのレベルが高い父親ほど、赤ん坊と社会的な結び付きを形成しようとする傾向が高い。 「プロラクチンやオキシトチンのようなホルモンは、幼児の最初の発育段階において、父性意識を確立する上で重要な役割を果たしているのです」 とフェルドマンは語る。


愛ゆえに育児を行う母親、好奇心からの父親

フェルドマン教授が率いた初期の研究では、15分間赤ん坊と遊んだ母親と父親の両方で、オキシトチンのレベルが上昇することが分かった。 ホルモン・レベルの上昇が、112人の両親 ― 71人の母親と41人の父親 ― から、遊ぶ前後に採取された唾液サンプルで検出された。

この結果分かったのは、遊んでいる間、母親と父親の両方で、オキシトチンのレベルが上昇したことなのだが、 母親の場合、これが起こるのは、赤ん坊に対する愛情を込めたスキンシップが十分に行われた場合に限られたのである。 対照的に、父親の方のホルモンレベルは、探検するよう幼児を励ますために、刺激的なタッチを行いさえすれば上昇した。

フェルドマン指導の下、研究がさらに行われ、最近公表されたが、これは幼児のオキシトチン・レベルを調べるものだった。 これは、生後4から6か月の幼児の両親55人(母親36、父親19)に対して行われた。 この結果分かったのは、遊んだ後のホルモン・レベルは、両親、赤ん坊ともに上昇しているということだった。

「このように、共同的なやり取りを通じて両親は、他人と親密な関係を築き、同情を感じ、他人の感情や意図を理解し、他人を信頼することができるような子供の能力を形成して行くのです」
Feldman says.
とフェルドマンは言う。
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ミラーニューロンの働きによって、 人は文字通り、他人が経験することを経験する。 科学者たちは、ある人の行いが、 他人のホルモンの状態や将来の発達に影響を与えるようなメカニズム、 特に両親と子供との間でこれが起こる場合を、さらに発見しつつある。
(写真)


ということで、科学者たちは、ホルモンが性および、身体の全般的なホルモン状態に及ぼす効果につき理解するようになってきたのみならず、 科学者たちは、ある特定の時期に行われる養育的行為および、親子のホルモン的/学習的効果が、子供たちと両親の相互に影響を及ぼすことについても立証し始めているのである。 筆者の知る限り、将来の性的志向を左右するような、人生初期時点でのダイナミクスに関する研究はなかった筈だが、 人間においては、少なくとも1つのタイプの性的な刷り込みが見つかっている。 これは「ウェスターマーク効果」と呼ばれるものである。 いわく、この効果にとっての刷り込み期間(人生最初の6年間)の間、 ごく近しい仲で一緒に育った子供たちは、後に長じて性的魅力を発達させ始めても、互いに性的に惹かれることはないのである。 だが、たとえ近親の同胞、例えば兄弟姉妹であっても、 この間に離れて過ごせば、2人は大人になったとき、互いに性的に惹かれるようになるかも知れない。

例えば、キンカチョウ(ゼブラフィンチ)のような動物においても、性的な刷り込みが定着する。 この鳥は、それが育ての親であろうと、自分たちの面倒を最も見てくれた者に似ている相手に惹かれて番うことを学ぶ。 育ての親が、全く異なる種であってもだ。 もし若い動物が人間によって刷り込まれると、この個体は自らの種に全く無関心なままとなり、人間と番おうとさえする。 動物の性行為における刷り込みの強い影響を考えると、 人間の性に関しても同様の説明を求めることは不合理とは思われない。 無生物を対象とした刷り込みを行う動物の能力を考えると、 これはまた、いくつかの性的な特異性(例、フェティシズム)および逸脱(例、サディズム、小児性愛)をも説明するものかも知れない。 今後の研究が待たれるのは、このような刷り込みが起こる、精確な生物学的メカニズムについてである。

そして、もう1つの影響しうるとして挙げられていた「過去生」については、 カナダの生物学者兼精神医学者であったイアン・スティーヴンソンが、このテーマに価値を認め数十年来行った調査研究に基づき、かなりの可能性があると考えていたのだ。 スティーヴンソンの著作に不案内な向きは、彼の2冊の著作をチェックして欲しい。 『生まれ変わりの20例』と 『生まれ変わりの刻印』であるが、 これらの中で彼は、過去生が実在すること、そして、その現生への影響について主張している。 これらは事実に即した簡潔な語り口の本だが、このテーマについての最高水準の科学を求めるなら必読である。 以下は性に関連する彼の作品からの短い1節である:


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過去生の記憶を持った、これらの子供たちの多くは、過去生で持っていた能力や才能を示している。 過去生では別の性だった子供たちはしばしば、新しい性への調整に困難を感じている。 このような「性転換」に関する問題のために、長じてから同性愛者となる者も居る。 過去生で少女だった者が少年に生まれ変わった場合、少女のようにドレスを着たがったり、男の子より女の子と遊びたがったりするのだ。

今に至るも、人間の示す、このような奇妙な性質は、いずれも伝統的な精神医学にとってはミステリーとなっている ― 結局、いずれのケースにおいても、両親が子供たちの行動の原因ではなかったのだ。 そして、ついに、転生の研究が、このテーマに光明を投じつつある。 かつて医師たちは、このような特異行動は何らかのホルモンの不足ないし過剰が原因であるとしてきたが、彼らはいくらか考えを改めるべきだろう。 [筆者注:もちろん、人によって、どちらの場合もありうる。]
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イアン・スティーヴンソンは転生の科学的研究の先駆者だった。
(写真)


科学者はこの現象を「児童期性不一致(CGN)」と呼ぶ。ボストングローブ紙にニール・スウィディーが書いているように、「調査結果によれば、CGNを訴えた少年の約75% ― おそらくはそれ以上 ― が、ゲイあるいはバイセクシャルとなったことが分かった」。そして、スウィディーの記事に出ている最初のケーススタディに示されるように、一卵性双生児の片方が自分は女の子だと悟っていても、もう一方は典型的な男の子の特徴を示すことがあるのだ。この記事の要旨は、同性愛は出生前に原因がある― 身体的な男女どちらの特徴が発達するかと同様、性的志向も子宮内のホルモンで決まるというものだ。スウィディーはこう述べる:


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研究成果を総合すれば、前もって子宮内で、胎児の脳が男性あるいは女性のいずれかの方向に成長するに従って、性的志向の基礎となる何かが起こっているということになろう。その原因を確信している者はいない。だが、ここで遺伝子が関与していて、おそらくは影響を受けるホルモンの量を調節したり、視床下部にあるニューロンの中にある、カギを握っている一団のサイズを決定したりしているのではないだろうか。そんな原因を選別するため、まず研究者たちは、実際に「ゲイ遺伝子」は存在するのだろうか、という問いに立ち返る必要が出てくるだろう。
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このような影響によって、後に子供が、両親との特定のやり取りにおいてどんな反応を返すかが、そして、そのようなやり取りによって分泌されるホルモンの影響が決まるということもあり得よう。だが、科学者たちがそのような可能性を想定しなければ、それが研究される見込みもない。そしてもちろんのこと、この問題には政治が絡んでいる。多くの人々は(誤って)、このような研究が、同性愛とは「習得する」ものであり、よって「習得しない」ことも可能である、という考え方を裏付けるものと考え、結果的には、原理主義者や彼らの抱く反同性愛信仰にネタを与えることになるだろう。

だが、刷り込みということに関して、人間の成長が持つ可能性は非常に大きい。考えてみて欲しい。我々の生まれたばかりの環境の中で、後の人生に影響を与えうるものとして他に何があるだろう?我々が後の人生において、特定のタイプの人に惹かれる傾向を持つことは、上で簡単に触れた通りである。おそらく我々の一部は、本当は我々のためにならない人々との関係をスタートするような傾向を刷り込まれているのではないだろうか?これは、文学修士サンドラ・ブラウンが論じた『サイコパスを愛する女たち』という現象を説明するかも知れない。そしてもちろん、言語にも刷り込み期間があって、言語スキルを学ぶには適切な時期に、それが「書き込まれ」ねばならないのだ。我々の無知の結果、「書き込まれずに」時期が過ぎてしまうというような類の回路として、他にどんなものがあるか誰に分かるだろうか?人間には、我々が全く知らない可能性ないし、「オフ」の位置にセットされている遺伝子があって、その結果、我々は、本来発揮できる機能の単なる影に過ぎないような人生を送っているのだろうか?我々は、単にスイッチの入れ方が分からなかったというだけの理由で、埃をかぶって家の周りに置いてある機械のようなものかも知れない。さらに悪いことに、我々はそれが単なる飾りだと思っているのかも知れないのだ。


次回はマインドコントロールの番だ!
posted by たカシー at 12:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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